言葉を紡いで、十年。錆びつくことのない物語を、これからも。

新着記事

日記

熱に浮かされて書き、氷のように削る

ふと思い立って、ファンタジー小説なるものに手を出してみた。これまで読みふけってきたような、あるいは少しばかり気取って書いてきたような堅苦しい文章とは違う。剣と魔法、異世界と冒険。そんな世界なら、もっと自由に、もっと軽やかに言葉が紡げるのでは...
SF

【短編小説】麒麟は炎を越ゆ

天正十年、初夏。京の都は深い闇と、じめりとした熱気に包まれていた。湿度をたっぷり吸い込んだ空気は重く、肌にまとわりつく。土壁の向こうから聞こえる虫の合唱は、この時代の変わらぬBGMでありながら、今宵はどこか切迫した調子を帯びているように感じ...
日記

世界のどこかにいる、もうひとりの「森元仁隆」について

先日、ブログのお問い合わせフォームから一通のメッセージが届きました。内容は、「もしかして、昔〇〇にいた森元?」といった趣旨のもの。 実は、こういったご連絡をいただくのは今回が初めてではありません。古くはFC2ブログで書いていた時代から、チラ...
アニメレビュー

【アニメレビュー】『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』――火傷を負った少女が「愛してる」を綴るまでの、聖なる傷と贖罪の記録

言葉というものは、なんと不自由で、同時になんと残酷な発明なのだろうか。 私たちは心にある感情のすべてを他者に伝えることができない。「悲しい」と口にした瞬間、その言葉が器からこぼれ落ちてしまうような痛みが伴う。「愛している」と告げた瞬間、その...